日商簿記1級の勉強法|商会工原を攻略して一発合格を目指そう!
合格率10%、合格には600~800時間程度の勉強が必要と言われる難関資格、
「日商簿記1級」に一発合格した勉強法をご紹介します。
商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目で各25点、計70点以上で合格ですが、1つの科目が9点以下だと「足切り」不合格となります。
70点という合格の配点はあるものの、実質は上位10%程度の人が合格となる「相対評価」の試験となっています。
相対評価の試験では、難問を解くことよりも基本的な問題を落とさない事の方が配点上大事と言われています。
つまり、日商簿記1級を合格するには「基礎」を理解することが最も大事です。
基礎を理解する為の学習の秘訣や、直前対策など私が一発合格するまでに実践した勉強法をまとめました。
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この記事の目次
日商簿記1級を一発合格する勉強方法は?
日商1級の一発合格のコツは、とにかく「1年間、継続して勉強する。」
これに尽きます。
1年間、忙しいときでも、周りの人に遊びに誘われても、毎日2時間以上勉強を継続することが最も大事です。
「独学で一発合格」は険しすぎるの道のり
独学での一発合格も、決して不可能なことではありません。
しかし、その道のりはあまりにも険しいです。
試験が年に2回しかないので、もし落ちた場合に、また半年間勉強漬けとなります。
極論、独学で半年長く勉強するよりも、通学講座に通い一発合格して、その後半年間アルバイトして費用を稼いだ方が時間効率が良いと言えます。
会計士や税理士を本気で目指している方なら、独学で挑戦するのもありですが。そうでない方は講座の受講を検討するのをおすすめします。
参考:簿記1級の勉強時間の目安は?独学と通学でこんなに違いが・・
日商簿記1級「通学講座」は一発合格の近道?
日商簿記1級の勉強法のポイントというか、一発合格を目指すなら、大原やTACなどの講座に通うことをオススメします。
以下、講座のメリットをご紹介します。
講座に通えば「理解して覚えやすい」
講座をオススメする理由としては、「理解」して覚えやすいこと。
日商1級の問題を解くには「基礎を理解」することが大事になってきます。
しかし、テキストを読んだだけでは理解するのは難しいのです。
例えば、1級で新たに出てくる論点は総じて理解しにくいものが多いので、独学だと新しい論点が出る度にいちいち引っかかって学習が進まなくなってしまいます。
会計学などで出題される簿記の難しい理論も、講座に通えば講師がかみ砕いて分かりやすく説明してくれるので、理解しやすいです。
勉強の辛さを誰かと共有できる
講座に通えば分からない箇所を分かるまで講師に聞いたり、誰かと勉強について話を共有できる。仲間の存在はとても大きいです。
私は人見知りの性格ですが、なるべく仲間を増やしたいと思い、まずは先生と仲良くなって、先生を介して生徒同士でも仲良く会話できるようになりました。
最終的に合格して大原に通わなくなってからも、一緒に飲みに行ってました。笑
完璧な勉強スケジュールを立てられる
勉強のスケジュール管理、いわばマネジメントを熟練の講師陣がしてくれるので心強い。
日商簿記1級の勉強は長丁場の戦いとなるので、スケジュールを立てるのはとても重要ですよ(^^)
「合格するまでには、いつまでにどれを終わらせる必要があるか?」
といったノウハウを持っているので、効率的に学習を進める事が出来ます。
短縮できる時間を時給換算すると、決して高くない
独学での学習時間と、講座を受講した場合の学習時間を比べた場合、かなりの時間を短縮する事ができます。
時給に換算すれば、200時間以上短縮できれば元は取れるハズです。
実際は、短縮できるのは200時間どころじゃないのでは?
(こればっかりは比べようがないですけどね。)
勉強時間を時給換算して機会原価(※)を計算すれば、独学で2回目に合格するよりも、講座に通って一発で合格した場合の方が、費用面でも優れていると言えます。
※機会原価は、簿記1級の原価計算「意思決定」で習います。日商1級の合否のカギを握ると言えるほど、特に重要な論点です。
講座のメリットは大きいが、それでも「合格」のハードルは高い
今まで講座のメリットを紹介しましたが、受講した場合でも合格するには相当な努力が必要となります。
私は大原の社会人講座に通いましたが、社会人講座に通って一発合格はレアケースみたいです(^^;
(一発合格どころか、講座を最後まで受講せず辞めていく人も居ます・・。)
ちなみに、学生さんで勉強期間が2~3年ある場合は、公認会計士を目指すのも良いと思います。
勉強期間を1年で考えているのなら、手堅く日商1級の講座を受講するのも良いですが。
関連:日商簿記1級独学の強い味方、TAC『独学道場』の内容と評判は?
私の日商簿記1級の勉強法
私の実践した勉強法、合格へ向けた心構えをご紹介します。
一発合格と聞こえは良いですが、その裏で「人に負けない」レベルの努力が必要だと思います。
私は電卓無しで2級合格を目指していたほど。難しいと言われている日商1級も、正直『わりと余裕で合格できる』と、自信しかありませんでした。
しかし、『そんな生易しい試験では無かった・・。』と気付くまでに、そう時間はかかりませんでした。
何なら、テキストの最初の方の論点でつまづき、とっても苦労しました。
大原の講師も言っていましたが、やはり合格には絶対的な努力が必要だと私も思います。
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一回目の受験で上位10%に入るには?
日商簿記1級は上位10%の人が合格する相対評価の試験です。
受験者の中には、受験回数が2回目、3回目のベテラン組や公認会計士へのステップアップを狙う猛者達も居ます。
初受験で一発合格、つまり上位10%に入る為には、相当な勉強量が必要です。
直前期の一ヶ月間は遊ぶ暇なんてありません。
しかも、それはみんなが同じ気持ちで勉強しているので、直前になって挽回しようと思っても無理です。
毎日3時間勉強を継続する
合格する目安として、一年間で600~800時間程度の勉強時間を確保する事が必要です。
800時間÷365日=1日平均2.2時間。
最初のうちは1日2時間程度で十分ですが、残り6ヵ月を切ったくらいから1日3時間のペースで勉強し、復習を繰り返さないと覚えた内容をどんどん忘れていってしまいます。
私が大原の受講相談を受けた時も、『最低1日3時間は勉強しないと合格は難しい。』と言われました。
毎日の積み重ねが、未来の「合格」を確かなものにする
試験の6ヵ月以上前からずっと1日3時間のペースを継続して勉強する事が大切です。
確かな一歩の積み重ねでしか、遠くへは行けないイチロー
この名言のように、コツコツと確かな勉強の積み重ねでしか、合格できません(^^)
関連:簿記1級のテキスト比較。独学におすすめはTAC『簿記の教科書』
日商1級:商業簿記・会計学の勉強方法
日商1級には「商業簿記・会計学、工業簿記・原価計算」の4つの科目があります。それぞれ勉強方法が少し異なるのでご紹介します。
商・会は「基礎」の理解度が問われる
商業簿記・会計学の勉強方法はテキストと問題集を繰り返し解く事が一番大切です。
範囲の広い「基礎」の部分がどれだけ理解できているか?
が問われる試験内容です。
基礎と言っても、範囲は本当に広いので、頭ではなく体で覚えるほど、とにかく繰り返し問題を解いて数をこなす事が大事です。
最初に習う論点こそが最難関
テキストで最初に学ぶのは「特殊商品売買」だと思いますが、ここは商・会において一番と言っていいほど難しい論点です。
理論だけは押さえておいて、計算は飛ばした方が効率良いのかもしれません(^^;
基礎的な問題をいかに落とさないかが大切ですので、難しい特殊商品売買の計算は合否にはあまり影響しません・・。
100点を80%取ることより、80点を100%取る事が大事
商・会は範囲が膨大なので、100点を目指して全ての論点に時間をかけるよりも、合格に必要な範囲だけを努力した方が効率的です。
例えば、どんな難しい問題でも80%くらい点数を取る事よりも、難問は0%でも良いから基本的な問題を100%取りこぼさない事の方が大事です。
日商1級は相対評価の試験ですので、難問よりも、みんなが正答する1問の方が配点が大きい傾向にあり、
難問を正解しても、基本的な問題を落とすと、傾斜配点で不利になります。
難問を正解し100点を取る事を目指さず、基本的な問題を確実に取る「80点を100%取る」ことを目指す勉強法が効率的です。
※合格には70点以上ですが、それだとギリギリなので練習の段階では80点を合格ラインとして考えて勉強した方が良いです。
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連結決算は100点 or 0点の究極の論点
商・会で学ぶ「連結決算」に関しては、満点を狙いやすい反面、1箇所間違えると連鎖的に他の箇所も間違えるので、0点となる可能性も高い。
たった一つのミスが命取り(足切りで不合格)となる、不確定要素の高い論点です。
但し、出題される頻度は高くないので、最近の過去問で出題されていたならあまりマークする必要はないでしょう。
逆に、5~6回出題されていなければ、マークしておいた方が良いですね。
理論と計算は同時進行で!
商・会の理論と計算は、同時進行で自ずと理解が深まっていきます。
私は理論の暗記や理解が本当に苦手でしたが、苦手だからこそ早めに手を打つ事をおすすめします。
理論の勉強を進めるうちに全体像か把握でき、それが計算にも大いに役立ちます。
計算問題を繰り返し解くと同時に、テキストの理論の重要なポイントには必ず目を通す習慣を付けてください。
商業簿記・会計学の勉強法まとめ
- 範囲が広い「基礎」の問題を解くことに注力する
- とにかく繰り返し問題を解き、同時に理論にも目を通して理解を深める
商・会は努力量と成績が綺麗に比例するので、成長が実感しやすいです(^^)
私は商・会の方が苦手でした。
そんな私が苦手を克服した唯一の方法が「とにかく問題を繰り返し解いて、数をこなす」これが克服の唯一の道です♪
日商1級:工業簿記・原価計算の勉強方法
続いて、日商1級の合否のカギを握る「工・原」の勉強法をご紹介します。
工・原は範囲は狭い。問われるのは「応用力」
「工・原」は、勉強範囲は「商・会」より広くないです。
範囲が狭いからこそ問われるのは「応用力」となります。
公式や解き方だけ覚えるのは簡単ですが、試験問題にあてはめる能力。
センスや閃きといった能力が問われる要素があるので、「努力でカバーしにくい」という側面があります。
色んな問題をどんどん解こう!
同じ問題を繰り返し解いても、応用力は養われませんよね。
工・原では同じ問題を繰り返し解くのは効果が薄い。新しい問題をどんどん解いていくのが克服の道です。
基礎の問題を一通りこなしたら、大原やTACの問題をヤフオクやメルカリなどで手に入れて、解いてみるのがオススメです。
商・会と違い、工業簿記・原価計算の試験範囲の改定は行われていないので、数年前の問題でも十分ですよ♪
「意思決定」は最も警戒が必要な論点
日商簿記1級で最も多くの受験生を苦しめる論点が「意思決定」です。
これは、最初の一問目を間違えると、以降の問題全て不正解となるため、一つのミスで足切り不合格となる可能性が高い論点となります。
最初の一問を解くのに、何度も何度も見直して、15分かけるくらい慎重に解いた方が良いですね。
問題文を一箇所でも読み落とすと、自動的に足切り不合格となります。
問題を解く前に3回は問題文を読んで、数値をチェックしましょう。
本試験で焦らない為に、60分以内に解ける練習を!
「工・原」は計算ボリュームが「商・会」より多いので、正確かつ素早く計算する技術を磨きましょう。
一問目が間違っていると、以降の問題も全て不正解となります。
つまり最後の見直しで間違いに気が付く=最初から全部やり直しとなります。
なので、最後の見直しには最低でも25分ほしいところ。
とにかく一問目を間違えない事が重要なので、問題をよく読んで、1問解いたら一問目をすぐ見直しをする。
問題良く読む&最初の見直しを含めても60分以内で全ての計算を終えられる正確性とスピードを磨いておけば、最後の見直しに30分以上時間が余ります。
「ケアレスミス」は重大なミス!普段から気を抜かない
「工・原」ではたった一つのケアレスミスで足切り不合格となる場合があります。
本当に些細なミスで数ヶ月間の努力が水の泡となり、不合格となってしまいます。
ケアレスミスは、普段の練習問題から本っ当に注意してくださいね(^^;
私は本試験でケアレスミス!危うく足切りになりそうになった
私が受けた試験は原価計算が意思決定だったので、そちらを注意しすぎてしまい、工業簿記は急いで解きました。
残り20分くらいで工業簿記の問題の計算工程の間違い(ケアレスミス)に気が付き、一問目から全てやり直しました(^^;
決して難しくはなかったのに、問題を見落としてしまい危うく足切りになるところでした。
油断、焦りによる注意力が散漫してしまい、ケアレスミスの恐ろしさを体験した試験でした・・
ちなみに、その時は商21 会24 工20 原19の計84点でなんとか一発合格できました(^^)
合格の鍵は、工・原が握っている
私が一発合格できた要因は、工業簿記・原価計算が好きだったからです。
大原の講師でさえ、受験生時代は工・原に苦しめられた人がほとんどでした(^^;
もし、苦手意識があるのなら、それを克服できるくらいたくさん勉強をしてください!
工業簿記・原価計算の勉強法まとめ
- 応用力が問われるので、同じ問題を繰り返し解くよりも、新しい問題をどんどん解く
- ケアレスミスは足切り不合格になる。普段の練習問題の時から気を抜かない
- 正確かつ素早い計算テクニックを磨く。目標60分以内に終えられるように
- 意思決定は警戒すべきだが、油断して他の箇所でケアレスミスしないように!
日商簿記1級勉強を始める前の準備
これから日商簿記1級の勉強をしようとしているあなたに、始める前の準備をちょっとだけご紹介します。
苦手な科目から学習を始めよう!
日商1級の試験科目は4つありますが、大きく分けると「商業(&会計学)」と「工業(&原価計算)」に分けられます。
そして、オススメは商業と工業の「苦手な方から勉強を始める事」です。
勉強期間が長い方が、勉強する時間を多く取る事が出来るので、弱点を克服するのに時間的な猶予があるからです。
工業簿記が苦手だった人は、早めに「工・原」の学習をスタートして、弱点を克服することをオススメします。
大原に通っている受験者の傾向として、「商・会・工」の3つの科目はほぼ満点なのに、
「原価計算」に足切り(10点未満)で不合格になる人が多いです。
電卓選びも重要。オススメはCanon
日商簿記1級では、計算スピートが求められる試験なので、電卓選びも重要となってきます。
- 左手での打ちやすさ
- 割引現在価値の計算のしやすさ
具体的には、この2つが重要となってきます。
左手で打ちやすい配置の電卓を選ぶべし
スピードが求められる試験なので、右手(利き手)で電卓を打つと、ペンを書きながら電卓を叩けないので、タイムロスが生じます。
電卓で「=(イコール)」を押した瞬間に数値を書き写す為には、『利き手にペン、逆の手で電卓の操作』が必要になります。
割引現在価値の計算がしやすいメーカーを選ぶべし
日商1級では、「割引現在価値」という問題が出題されます。これは、「ひたすら同じ掛け算・割り算を繰り返す」計算をするものです。
左手で打ちやすく、かつ「割引現在価値」の計算がしやすい、良いとこ取りの電卓が「Canon」管理人おすすめとなります。
詳しくは簿記の学習にオススメの電卓の記事を参照してください。
関連:簿記検定でおすすめの「電卓」は?初心者~上級者まで|Amazonで買える
まとめ。時給で換算すると講座に通ってでも一発合格すべし
もしも試験に落ちてしまった場合、もう一度受けられるのは半年先になります。
その半年間、250時間程度勉強したとしましょう。
その250時間を仮に時給1,000円に換算すると、25万円分の損失となります。
TACや大原の通学・通信講座の料金は16万円~19万円程度なので、お金の先行投資を惜しまず、一発合格するのが費用&時間対効果が高いですよ。
そして、苦労して手にした「合格」には、今後のあなたの人生で、きっと費やしたお金と時間以上の価値をもたらしてくれるはずです。
まずは講座の内容や学習スケジュールをじっくり確認して申し込みを検討してください♪
もし、『どうしても独学でチャレンジしたい!』あなたは、TACの独学道場でチャレンジしてみることをオススメします^^
簿記講座のわかりやすさと、独学の費用面の安さをかけ合わせた「教材のセット+Web講義」の内容となっています。
関連:日商簿記1級独学の強い味方、TAC『独学道場』の内容と評判は?
学習、頑張ってくださいね。以上、日商簿記1級の勉強法|商会工原を攻略して一発合格を目指そう!でした。
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