『日商簿記1級は難しいわりに、取得するメリットがない』とよく言われています。
しかし、その一方で就活で高く評価され、就職後も勉強した知識はあらゆる場面で役に立つのも事実です。
それではなぜ、「価値がない」という意見があるのか、その理由とともに簿記1級のメリットをご紹介します。
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この記事の目次
日商簿記1級が評価されないケース
当たり前かもしれませんが、日商簿記1級がそれほど評価されないケースがあります。
- 中小企業の経理職はそもそも簿記2級で十分
- 未経験の1級持ちより、経験者の簿記2級持ちの方が即戦力になる
残念ながら、これらはまっとうな意見だと思います。
大企業ならともかく、中小企業の経理職で日商簿記1級の専門知識が必要なケースは少ないと認めざるを得ません。
実務経験に勝るメリットは無い?
私は経理未経験で日商1級取得後、大原の講師や経理、会計事務所など未経験の職種に応募しましたが、条件の良いところは書類審査で門前払いでした。
今思えば、『未経験の職種で残業が少なくて、前の職場より給料が良いところ・・』と、未経験なのにかなり条件を引き上げて、仕事を見つけるのはさすがに無謀でした(笑)
つまりは、実務経験に勝るほどのメリットや価値は、残念ながらありません。
しかし、だからと言って、「取得する価値がない」という事は全くありません。
勉強が大変な分、取得する価値も大きいので、むしろメリットだらけです^^
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日商簿記1級の取得メリット
日商簿記1級の合格後、私が『取得して良かった』と実感するメリットをご紹介します。
会社で頼りにされる人材になる
日商簿記1級を持っているだけで、会計に関しては社内で一目置かれる人材になります。
それは、資格を持っているからという単純な理由ではなく、勉強で得た「知識」が非常に役に立つからです。
難易度が高い分、スペシャリストになれる
日商1級を合格する為には、会計において、知らない事はほぼないほどの広い範囲を、高い水準で理解する事が必要です。
勉強には600~800時間程度取られるのですが、苦労した分だけ、会計の分野ではスペシャリストになれます。
関連:簿記1級の勉強時間の目安は?独学と通学でこんなに違いが・・
勉強時間が長いのはデメリットですが、そのぶん「理解が深まる」メリットもあります。
知名度が抜群。就活で大きなアピール材料になる
転職に有利な資格ランキングで「簿記」は常に上位に挙げられています。
経理や一般事務、営業など、様々な業種で役に立ち、評価されると言われています。
人気のある資格なだけに、履歴書の資格欄に「簿記1級」があると、就職や転職活動時に大きなアピールポイントになります。
さらに評価を高めるには?
さらに就活での評価を高めるには、転職や就職に有利な資格ランキングでもう1つ常に上位に挙げられるMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の取得をおすすめします。
『簿記1級は持ってるけどパソコン苦手』
こんな人はもはや宝の持ち腐れです。せっかく勉強したのに、すごくもったいない。
帳簿を手書きで付ける時代はもう何十年も前です。パソコンスキルは事務やデスクワークに必須です。ExcelやWordの操作といったMOSで習得するスキルも併せて持つことをオススメします。
日商簿記1級のさらに+αのスキルがあるとめっちゃ重宝される
パソコンの資格(MOS)は簿記1級に比べたらめちゃくちゃ簡単なので、ほんといつでも取得できます♪
とても実用的な試験内容なので、実務で活かすのにおすすめです。社会人として評価・価値が飛躍的に上がりますよ(^^)
私は元々パソコンを使った仕事をしていたので、「簿記もパソコンも詳しい」とアピールをしたらかなり評価されました(^^)
簿記とパソコンに詳しい人ってほんっっとに少ないので、めちゃめちゃ重宝されます。
経理経験者が取得した場合のメリットは?
経理の経験者の取得メリットはどうでしょうか。
経理の人ほど、資格を軽視しがちで、実務経験者の日商簿記1級持ちは本当に少ないと思います。
たとえ経理業務の範囲外であっても、キャッシュフロー計算書や財務分析など、自社の財政状態をより深く理解できます。
会計事務所の職員でさえ、2級止まりの人も居ます。
「顧問先の会計事務所の担当者よりも、会計に精通している。」そんな経理担当者って評価されると思いませんか?
実務経験者は、簿記の理解度が高いので、勉強時間は一般的に言われているよりもずっと短期間で合格できると思います。
つまり、実務経験者こそ時間対効果が高いのでないでしょうか。
もし、経理職で転職をするなら、実務経験+日商簿記1級、さらにMOS程度の一般的なパソコンスキルも兼ね備えていたら、もはや無双と言える状態です。
今よりももっと条件の良いところに就職出来るかもしれません♪
自分に自信が持てるのがメリット!
簿記1級の合格の道のりは本当に大変です。
しかし、その大変な道を自ら選び、乗り越えた時は大きな自信となります。
自分で自分を誉めたくなります(笑)
何百時間に及ぶ勉強と、気の遠くなるほどの「努力」をして、合格の壁を乗り越えた経験。圧倒的な知識量、周りからの評価。
自身の可能性が広がるとともに、大きな自信を与えてくれます。
会社勤め、独立開業、株式投資、家計簿など、仕事やプライベートでその知識は大いに役立ちます。
現在の世界経済は資本主義が主流で、根底で支えているのが「簿記」です。
あなたがこれから資本主義の社会の中を生きていく上で、間違いなく強力な武器となり、盾となります。
まとめ。難しい分、取得メリットも大きい
「簿記1級は価値がない」派も実はメリットは把握していると思います。
問題なのは、「勉強時間の長さ」だけなんですよね。一般的には600~800時間かかると言われています。
あなたは800時間で何を手に入れますか?
時間対効果で、上に挙げたメリット以上の価値を800時間で得られる人は、日商簿記1級を取得するメリットがないと言えるでしょう。
ですが、一部の勝ち組と言われる人を除いたら、600~800時間でこれ以上ないほどの「価値」や「メリット」をもたらす資格だと私は思います。
大袈裟な表現をすれば、今後のあなたの人生が大きく変わるほどの「メリット」をもたらす事もあるでしょう。
転職に悩んだり、スキルアップを目指したりしている人は、日商簿記1級の取得をぜひともオススメしますよ♪
関連:簿記1級のテキスト比較。独学におすすめはTAC『簿記の教科書』
以上、日商簿記1級の「取得メリット」は?就活で評価されないって本当?でした。
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