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資本金とは?金額の大小で会社の価値は判断できない?!

資本金とは

就職活動で求人票を眺めると「資本金」が載っていますよね。

求人票は、会社の情報をたった1枚の紙にまとめたものです。
その限られた選りすぐりの情報の中で必ず載っているので、いかにも会社の価値を判断する上で重要そうな項目ですよね。

しかし、会社の価値は資本金の大小だけでは判断できません。

分かりやすく言えば、資本金は会社の規模の大きさを表す一つの目安です。

規模は小さいものの、堅実な経営成績を実現して順風満帆な会社もあります。
逆に、会社の規模が大きくても、儲けが少なく倒産寸前な企業もたくさんあります。

資本金だけでは会社の価値は判断できない。
じゃあ、何のためにわざわざ資本金を求人票やホームページの会社概要などに載せているのか?

詳しく解説していきます。

関連:資本準備金とは?資本金との違い

資本金とは?

資本金とは、株主が株式を取得する際に、株式会社に支払った金額です。

非上場の株式会社(中小企業)の場合、社長(オーナー)が創業時に自分で出資した金額が「資本金」となる場合がほとんどです。
ただし、非上場でも複数人の株主がいる場合があります。

会社が発行する「株式」を取得するには、多くの場合株主が会社に対してお金を支払います。

上場している企業の場合、多くの株主が、お金を払って株式を取得していますよね。それが会社の「資本金」となります。

会社法第445条第1項
株式会社の資本金の額は、設立又は株式の発行に際して株主となる者が、当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。

会社法ではこのように定められています。
ちなみに、2006年に施行された新会社法で「資本金1円」から株式会社を設立することが可能となりました。

ただし、2006年より以前に設立された会社は、

  • 株式会社:資本金1,000万円以上
  • 有限会社:資本金300万円以上

が必要だったため、今でも多くの会社でその名残が残っています。
求人票などで見かける「資本金1,000万円」の多くは、2006年より前に設立された会社ではないでしょうか^^

資本金は返済義務がない自己資本と言うけれど・・

よく、『資本金とは』で検索すると、「資本金は借入金と違い、返済義務がない・・」といった説明がされることがあります。

確かに、その通りなのですが、それは会計のことを学習中の初心者にはちょっと分かりにくいかな、と思います。

他にも返済義務がない科目はあるので、資本金だけが返済義務のない唯一の資金調達の科目ではありません。
(私も学習を始めた頃は、勘違いしていました。)

資本金が大きい企業ほど安心?

求人票など、見かける機会の多い「資本金」ですが、金額が大きければ安心な優良企業とは限りません。

会社の規模を表す目安の一つではありますが、企業の業績や安全性は、資本金だけでは計れません。

資本金の大小よりも、利益額や、借金が少ない(純資産が多い)企業の方が安全性は高いです。

例を出します

会社名資本金利益借入金
会社A2億円1,000万円3億円
会社B1億円2,000万円0円

資本金が大きいのは、「会社A」ですが、資本金を上回る借入(借金)をしています。

一方「会社B」は資本金こそ「A」の半分ですが、借入金はゼロで無借金、利益も倍稼いでいます。

安心な企業は「B」ですよね(^^)

求人票では、借入金の情報は載っていないので、資本金が大きい企業を選んだら、実は借金まみれだった・・。

なんて事もあり得ます(^^;

求人票に資本金が載っている意味とは?

私個人の意見では、あまり深い意味はないと思います(笑)

求人票に載る情報は、誰でも見ることができます。
それはつまり、ライバル会社や会社内部・外部の誰に見られても影響が少ない情報とも言えます。

企業の業績や借入金の情報などを公表してしまうと、取引先の信頼が落ちてたちまち経営難に陥る可能性だってあります。

それどころか、肝心の求人も来ないですよね(^^;

私が就職した会社は奇跡的に無借金で業績も好調な優良企業ばかりでしたが、資本金の規模はバラバラです。

ただ、業務の内容は長時間労働のブラック企業も一社ありました。
たった1枚の求人票に書かれている事だけで判断せず、気になる事は面接でどんどん聞いた方が良いです。

資本金の目安

資本金は、会社の規模を表す一つの目安になります。

世の中の会社は、「大企業」と「中小企業」の2つに分類されます。
その判断基準の一つに、「資本金」が使われています。

参考:中小企業庁 中小企業の定義について

業種分類中小企業基本法の定義
卸売業資本金が1億円以下
従業員100人以下
小売業資本金が5千万円以下
従業員50人以下
サービス業資本金が5千万円以下
従業員100人以下
製造業
その他
資本金が3億円以下
従業員が300人以下

「中小企業」はこのように定義されています。これを超える会社が「大企業」と呼ばれます。

ただし、何度も繰り返しますが会社の規模が大きいほど、肥大多額の借金を抱えている場合もあるので、一概に資本金が大きい企業が安全性が高いとは言えません。

資本金と株式の関係

株式を「発行・増資」すると資本金が増えます。

会社設立後に新たに株式を発行し、増資をするとします。
例えば、20株を1株当たり1,000円で発行し、その全ての株主が見つかり、当座預金に払い込みがされた場合

借方金額貸方金額
当座預金20,000資本金20,000

このような仕訳となります。
この際、1/2を資本金に計上せず資本準備金にすることもできます。

借方金額貸方金額
当座預金20,000資本金
資本準備金
10,000
10,000

一見、何の意味があるの?
と混乱しがちですが、前述のとおり、会社の規模は資本金によって判断されるので、資本金の少ない企業は、税法上優遇される場合があります。

なので、増資はしたいけど、なるべく資本金は増やしたくない場合に全額資本金に計上せず、資本準備金として計上する場合もあります^^

資本金と資本準備金の違いについては、こちらの記事を参照ください。

関連:資本準備金とは?計上するメリットと資本金との違いは?

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