年商とは、1年間の総売上高の事です。
1億、10億、100億と年商が大きくなると、いかにも「儲かっている」と思いがちですが、年商が大きいからと言って、必ずしも儲かっているとは限りません。
年商1億円の社長より、年商500万円の社長の方が儲かっている場合だってあります。
年商と利益の違い
年商と利益はどちらもお金に関する用語なので、意味を混同してしまいがちですが、年商と利益は別物です。
例えば、
とあるYouTuberが超高級車を購入し、毎日車に乗る様子をYoutubeに動画をアップして、1年間で1億円の広告収入を得たとしましょう。
この場合、年商は1億円となります。
しかし、仮に車体の購入価格が1億円だった場合、利益(儲け)はゼロですよね。
(実際には毎日のガソリン代と駐車場代、その他諸々費用がかかるので、儲けはマイナスですが)
商売には必ず「経費」がかかる
上で挙げたのは極端な例ですが、モノを売ったり、サービスで商売をするには必ず経費がかかります。
経費の例
- 仕入(商品を仕入れた時に払うお金)
- 人件費(人を雇った場合に支払う給料)
- 家賃(事務所や店舗の賃貸料)
- 光熱費
- 健康保険や年金など
これはほんの一礼です。
仮に『話をするだけの自称経費ゼロYouTuber』がいとしても、家賃や光熱費、ネット通信料などの費用がかかりますし、健康保険や年金なども納めなければなりません。
年商から経費を差し引いた残りが利益
年商と利益の関係を数式で表すとこのようになります。
年商:1年間の総売上高
経費:1年間にかかった費用
利益:1年間の儲け
年商が大きくなっても利益が増えないケース
テレビなどのメディアで『年商が3年で8倍に成長!』など、『年商○倍に成長(拡大)』と目にする機会も多いと思います。
一見するとすごく順調に思える数値ですが、急成長を遂げている会社は経費も数倍に跳ね上がっていることもあるので、逆に経営を圧迫しているケースも少なからずあります。
「年商が大きくなっても、利益が増えない」状況を最も理解しやすいのが飲食チェーン(フランチャイズ)だと思います。
飲食店の場合、年商は店舗数が増えるほど増加します。10店舗から30店舗、30店舗から100店舗など、店舗数をどんどん増やせば年商は面白いように右肩上がりになります。
しかし、その一方で新規出店には多額の経費がかかる為、その費用を回収する間もなく新たに出店を繰り返すと、年商が増えているにも関わらず、それ以上に経費がかさんでしまい閉店・倒産してしまうケースが少なくありません。
そして、年商と利益が比例しないのは飲食店に限った話ではありません。
年商が1億円であったとしても、経費が1億円以上だった場合、儲けはゼロです。
年商が500万円でも経費が350万円なら利益は150万円なので、「年商1億円の社長より、年商500万円の社長の方が儲かっている場合もある」というのはお分かりいただけたでしょうか。
年商と年収も違う
年収は個人が1年間に得た収入(給料の総支給額)
「年収」は個人が受け取る給料の総支給額なので、所得税や住民税などを差し引いて残った手取りの金額を自由に使うことが出来ます。
会社全体が稼いだお金が「年商」
そのうち、社長個人が会社が受け取るお金が「年収」となります。
以上、年商とは?利益との違いを分かりやすく解説。年商1億円って儲かってるの?でした。
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